SaaS 創設者シリーズ: Epistemix がソフトウェアシミュレーションにより共感的な意思決定をもたらす方法

SaaS (Software-as-a-Service) を提供する企業は、自社製品をより多くのユーザーに届けるためのスケーラブルなインフラストラクチャを構築するための支援を必要とすることがあります。AWS SaaS Factory は、Epistemix の最高経営責任者 (CEO) 兼共同創設者である John Cordier 氏を招き、同社が Amazon Web Services (AWS) をどのように活用してスケールしているか、また同社のソフトウェアが、機械学習モデルを通じて、データサイエンティストが、実データや合成データを基にしたより多くの情報に満ちた共感的な意思決定を行うのにどのように役立っているかを語ります。

ささやな始まり

2000 年、世界をリードする疫学者の Donald S. Burke 氏は、米軍の感染症研究を統括していました。そのとき、意思決定者は感染症の流行が今後どうなるかを理解する際の必要なツールを持っていないことに気付きました。

この市場ギャップを解消するために、Burke 氏、Cordier 氏、John Grefenstette 氏は、統計的に正確な米国の人口と、エージェントベースのモデリングプラットフォームを組み合わせた Epistemix を設立しました。

Epistemix のソフトウェアを使用すると、データサイエンティストは、図 1 に示すように、統計的に正確な仮想世界で気候や経済変化などの変数を制御する変数を操作する実験を行い、多くの人々がさまざまな状況下でどのように行動するかを調査することで、インサイトを得ることができます。

Epistemix は、ピッツバーグ大学の公衆衛生大学院でソフトウェアを開発するという小規模な取り組みから始まりました。また、国立衛生研究所と Bill & Melinda Gates 財団からも資金提供を受けました。

しかし、3 人の共同創設者は、自分たちのプラットフォームが感染症の領域を超えた社会問題の解決に役立つことに気づき、それを会社として立ち上げ、現在の Epistemix が誕生しました。

感染症への対応にとどまらない拡大

「私たちが最初に会社を設立したときの目標は、世界中のあらゆる場所で公衆衛生の実践方法を変えることでした。そして、米国では公衆衛生は優先されていません。過去 2 年半の間に、一人一人がそれを目の当たりにしました」と Cordier 氏は言います。

新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックの際、Epistemix チームは自社のソフトウェアを使用して、CES、IMTS、Javits Center、その他の組織を含むグローバルイベント業界のクライアントが、いつ、どのように再び人々を集めるかついてより良い決定を下せるよう支援しました。

Epistemix チームはこの仕事に誇りを持っていましたが、すぐにこれを拡大する時であることに気づきました。次のステップは、外部のデータサイエンティストが使用できるようにプラットフォームを一般公開し、ツールが世界に与える社会的影響を大幅に拡大することでした。

「どのマーケティング戦略を採用しているかに応じて、製品ごとに異なる製品採用の動向をシミュレートすることができました。米国の住宅市場における人種分離 (図 2) をシミュレートすることができました。そこで次にすべきことは、ソフトウェアを他の分野のデータサイエンティストの手に実際に届けることです」と Cordier 氏は言います。

AWS と SaaS Factory を活用した SaaS の道のり

Epistemix がテクノロジーを共有する際の最初の課題は、外部のデータサイエンティストや他の組織が使用できるスケーラブルなインフラストラクチャを構築することでした。プラットフォーム自体はすでにかなり堅牢でしたが、ソフトウェアをよりユーザーフレンドリーにするのに苦労しました。

他のクラウドプロバイダーを検討した後、幅広いサービスを有する AWS と提携しました。そして、外部ユーザーと一緒に立ち上げの準備はできていましたが、まだ技術的な課題に直面していたため、AWS SaaS Factory にガイダンスを求めました。

「AWS SaaS Factory の専門知識により、より優れたユーザーオンボーディング体験を実現できました。そして、その優れたオンボーディング体験を通じて、当社がもたらす影響力を拡大したいと考えています」と Cordier 氏は言います。

「AWS SaaS Factory のおかげで、人々の健康状態、平等、そして人々のグループ全体に影響を与える政策決定を改善することを唯一の目的とした当社が構築したツールを、データサイエンティストやその他の組織に提供することができました」

共感をもって、十分な情報に基づいた大規模な意思決定を行う

「(米国では) 皆一人一人が代表者です。ですから、当社が行っていることは、データを通じて国内のすべての人に発言権を与えることだと私は考えています」と Epistemix プラットフォームの Cordier 氏は言います。

Cordier 氏は、さまざまな変数の影響がどのように作用するかを確認できるプラットフォームを共有することで、科学者は人間が実際にどれほど相互につながり合っているかを理解し始めると考えています。

「誰かが問題解決について違った考え方をすることができれば、直線的な Excel スプレッドシートから得られるものよりも、非常に説得力のあるソリューションにたどり着き、より深いレベルの理解を得ることができます」と Cordier 氏は言います。

これを念頭に置いて、Epistemix には問題解決についての人々の考え方を変える力があると彼は考えています。

「そして、集団全体に根ざした視点を持つことができれば、より共感的なリーダーシップが生まれると思います。なぜなら、自分の決定が影響を与える人々のことを考えているからです」

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