AWS X-Ray の特徴

X-Ray を選ぶ理由

開発者は、AWS X-Ray のエンドツーエンドのトレース機能を使って、製品や分散アプリケーションの動作を簡単に分析できます。X-Ray を使用すると、パフォーマンスのボトルネック、エッジケースのエラー、および検出しにくい他の問題を特定できます。X-Ray は、開発中か本番環境か、どのようなタイプやサイズか、非同期のシンプルなイベント呼び出しや 3 層のウェブアプリケーションかマイクロサービスアーキテクチャを使用して構築された複雑な分散アプリケーションかにかかわらず、さまざまなアプリケーションで実行できます。これにより開発者は、アプリケーション内の問題を簡単に見つけてそれを解決し、アプリケーションのエンドユーザーに対するパフォーマンスを向上させることができます。

シンプルなセットアップ

AWS X-Ray は Amazon Elastic Compute Cloud (EC2)、Amazon EC2 Container Service (Amazon ECS)、AWS LambdaAWS Elastic Beanstalk で実行しているアプリケーションで使用できます。X-Ray の使用を開始するのは簡単です。アプリケーションに X-Ray SDK を統合して、X-Ray エージェントをインストールするのみです。また、AWS Elastic Beanstalk では、X-Ray エージェントが Elastic Beanstalk に事前にインストールされているため、必要なことは X-Ray SDK をアプリケーションと統合することのみです。

エンドツーエンドのトレース

AWS X-Ray では、サービス全体でアプリケーションに対して行われたリクエストをエンドツーエンドで表示できます。アプリケーションの個々のサービスから収集されたデータをトレースと呼ばれる 1 つのユニットに集計することで、アプリケーション全体に関係するリクエストをアプリケーションを中心に表示できます。このトレースを使用して、個々のリクエストがアプリケーションの各サービスや各層で転送されるパスを確認し、問題が発生している場所を特定できます。

AWS X-Ray では Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)、Amazon EC2 Container Service (Amazon ECS)、AWS Lambda、AWS Elastic Beanstalk で実行しているアプリケーションをサポートしています。X-Ray SDK では、MySQL データベースや PostgreSQL データベース (自社ホスト、Amazon RDS、Amazon Aurora)、Amazon DynamoDB に対するリクエストのメタデータをキャプチャできます。また、Amazon Simple Queue Service や Amazon Simple Notification Service に対するリクエストのメタデータもキャプチャできます。

本番稼働用や開発中のアプリケーションに最適なトレースサンプリング頻度を設定できます。X-Ray では、アプリケーションに対するリクエストが継続的にトレースされ、分析のためにリクエストのサンプリングが保存されます。これにより、分析を有益なものとするために適したデータ量を確保しながら、保存に必要なオーバーヘッドをなくし、過剰な量のデータを管理しなくてもよいようにします。

AWS X-Ray では、Node.js、Java、および .NET で記述されたアプリケーションをトレースできます。

サービスマップ

AWS X-Ray では、アプリケーションで使用されるサービスのマップが作成され、特定のサービスや問題について詳しく調査するために使用できるトレースデータが提供されます。これにより、アプリケーションのサービスと各サービスで集計されたデータ (平均レイテンシーや障害発生率など) の関係がわかります。依存性ツリーの作成、アベイラビリティーゾーンやリージョンをまたいだ呼び出し検出などを実行できます。

サーバー側とクライアント側のレイテンシー検出

AWS X-Ray を使用すると、サービスマップからノードとエッジのレイテンシーディストリビューションを直接視覚的に検出できます。外れ値を分離し、パターンと傾向をグラフ化し、トレースにドリルダウンし、組み込みのキーとカスタム注釈を使用してフィルタリングを行うことできます。その結果、アプリケーションやエンドユーザーに影響を及ぼすパフォーマンスの問題をより深く理解できるようになります。

データの注釈とフィルタリング

AWS X-Ray では、アプリケーションの特定のコンポーネントやサービスから出力されるデータに注釈を追加できます。この機能を使用して、ビジネス特有のメタデータを付加し、問題の診断に役立てることができます。また、データをフィルタリングして表示し、注釈の値、平均レイテンシー、HTTP の応答ステータス、タイムスタンプ、使用したデータベーステーブルといったプロパティごとにトレースすることもできます。

コンソールおよびプログラムによるアクセス

AWS X-Ray は、AWS マネジメントコンソール、AWS CLI、AWS SDK と併用できます。また、X-Ray API を使うとプログラムによりサービスにアクセスできるため、トレースデータのエクスポート、または自社ツールやカスタマイズされた分析ダッシュボードへのデータの取り込みを簡単に行えます。

セキュリティ

AWS X-Ray は AWS Identity and Access Management (IAM) と統合されているため、トレースへのアクセス許可を持つユーザーやリソースとそのアクセス方法を制御できます。